オンライン授業の方法

オンライン授業には大きく分けて、ライブ型(同期型)とオンデマンド型(非同期型)があります。ライブ型では、ZoomやWebExといったオンライン会議でも用いられるソフトを使って、おこなうことが多いです。

ライブ型の特徴は、講義中に学生が質問できたり、ディスカッションしたり、チームに分けて、グループ討論させたりすることができるということです。しかし、10名程度の学生を対象にするものであればまだしも、100名を超える学生を相手にするとなると、接続にトラブルを起こす学生が必ず出ます。全員のマイクを切らせるなど、様々なノウハウが必要です。接続できなかった学生のために、同時に録画して、あとで、見れるようにしておくのがいいでしょう。

オンデマンド型では、講義を録画し、その録画をなんらかのプラットフォームに掲載して、学生に見てもらうという方法です。講義を録画する方法としては、PowerPointやKeynoteの録画機能を使うのが簡単ですが、かなり大きなファイルができあがってしまうので、60分の講義でも20分を3つに分けて録画することを勧めます。ZoomやWebExにも録画機能があるので、それを利用する方法もあります。この方法の欠点は、学生とのリアルタイムのやりとりができないことです。そのため、別の時間に、Zoomなどで質問を受けたり、メールなどで質問を受けることが必要です。

慶應義塾大学医学部では、かなり多くの教員が年間数コマを担当するので、オンデマンド型配信を原則としています。また、録画がでも色々なトラブルが起こる可能性があるので、常設のスタジオで、収録する仕組みを作りました。仕組みとしては、Zoomの録画機能を使っています。

以下に慶應義塾大学医学部で作成した、オンライン授業のマニュアルを公開します。いずれもPublic domainにして、著作権は放棄していますので、ご自由に利用ください。

教員向けのオンライン授業マニュアル(オンデマンド型)

教員向けのオンライン授業マニュアル(ライブ型)

学生向けマニュアル

スタジオ録画の仕組みは以下の通りです。

医学部の新型コロナウイルス感染症への対応

医学部の新型コロナウイルス感染症への対応をまとめて、各大学の担当者が一覧で見られるような仕組みを構築しています。

全部で8個のGoogleスプレッドシートで構成されています。各大学の担当者の方(必ずしも責任者の方でなくてもよい)は、gmailアドレスを慶應義塾大学の門川までお知らせ下さい。その方には、スプレッドシートの編集権限をお渡ししますので、現在の状況をかき込んで下さい。対策は、日々変わっていくでしょうから、変更があれば、更新日を変更し、修正して下さい。このスプレッドシートは一般に公開されますので、公開してよい範囲にとどめていただいて結構です。例にしたがって、書き込んで下さい。追加した方がよい項目がある場合には、門川までご連絡ください。

医学部の新型コロナウイルス感染症への対応1-国立(北海道・東北・関東)

医学部の新型コロナウイルス感染症への対応2-国立(中部)

医学部の新型コロナウイルス感染症への対応3-国立(関西・中国・四国)

医学部の新型コロナウイルス感染症への対応4-国立(九州・沖縄)

医学部の新型コロナウイルス感染症への対応5-公立

医学部の新型コロナウイルス感染症への対応6-私立(東日本)

医学部の新型コロナウイルス感染症への対応7-私立(東京)

医学部の新型コロナウイルス感染症への対応8-私立(西日本)

オーディエンスレスポンスシステムsli.doの使い方

オーディオレスポンスシステムとは、講義者と学習者の双方向コミュニケーションを可能にするコミュニケーションツールです。参加者はユーザー端末を利用し、講義中に参加者から意見を集めたり、アンケートを実施したりし、その結果をリアルタイムに表示することによって、双方向性の講義を実現します。手を上げて答えることに躊躇するような学生も参加しやすく、他の人の意見を知ることができるなど、比較的簡単に、授業を双方向性にすることができます。以前は、クリッカーと呼ばれる物理的な端末が多かったですが、最近では、手持ちのスマホなどを使っておこなうタイプのものも増えてきています。

僕は、最近、sli.doを愛用していますので、ここでは、sli.doの使い方を紹介します。

■sli.doの概要

参加者は、自分のスマホ、タブレット、PCなどから回答します。ブラウザでslido.comにアクセスして、ハッシュタグにイベント名をいれるだけで参加できます。参加者は匿名で参加できるので、参加しやすいという利点もあります。
プレゼンターは、sli.doの管理画面で、事前に問題を作成します。

講義中には、手元のスマホで管理画面を操作し、問題を出したり、回答を表示させたりします。

問題は、選択肢から選ばせるクイズだけでなく、フリーコメントを入力するものなど、多様なものがつくれます。また、講義中に随時、質問を受けることができます。

講義中に講義のアンケートなども取れます。

sli.doの画面(問題と回答)は、PowerPointやkeynoteではなく、ブラウザに表示されます。Slido Switcher(https://www.sli.do/switcher)というアプリを使うと、sli.doの画面とPowerPointやkeynoteが統合されます。手元のiPhoneで、問題をコントロールすると、PCを操作しないでも、問題の画面をオンオフできます。

参加者からの回答はあとでまとめてダウンロードすることができます。

1イベントあたり、3つの設問までは無料で使えますので、まずは、無料でためしてみることをお勧めします。気に入ったら有料版を購入すれば良いと思いますが、教育機関に属していれば、Teacher plan $75/年で、ほとんど無制限に使えるようになります。ただし、複数人が使えるプランになると結構割高になります。

■実際にsli.doを使う手順(無料で使う場合を書きます)

事前準備

  • slido.comにアクセスし、SIGN UPでアカウントを作ります。メールが届いたらアカウント作成完了。
    ログインします。
  • 「create your first event」を押して、イベントを作ります。
  • Event名をつけて、Show me aroundを押す。
  • ここからは、問題を作っていきます。Live Pollsタブに移動して、Create Pollを押します。Multiple Choice、Open text、Ratingから選んで問題を作ります。

当日

  • 事前に、Slido Switcher(https://www.sli.do/switcher)を導入しておくことをお薦めします。
  • 参加者はスマホ、タブレット、PCなどのブラウザーからslido.comにアクセスして、ハッシュタグを入力して下さいと伝える。わかりにくければ、QRコードを作って誘導してもいいと思います。
  • アンケートを取るときには、該当する問題をactiveにします。
  • 参加者に自分のスマホ、タブレット、PCなどで回答してもらいます。
  • この際に、結果を参加者が入力するのをライブで見せる方法と、ある程度、回答が集まってからオープンすることを選ぶことができます。
  • 問題をinactivateすれば、自動的にPowerPointないしKeynoteに戻ります。
  • これを繰り返します。
  • 事後には、回答内容をダウンロードすることができます。

臨床問題作問ツール(β版)を作りました

http://mededu.jp/sakumon.html

臨床問題を作成するときには、一定のフォーマットで作る必要があります。特に面倒くさいのは検査値の単位や基準値を書き込まなければいけないこと。そういった、面倒くさいことをクリアするためのツールです。各種試験で使う臨床問題の作成に役立つと思いますし、症例報告やサマリー作成に転用していただくことも可能です。

まだ、ベーター版ですので、ご意見があれば、是非、お知らせ下さい。